犬の多頭飼育を検討する際、多くの方が直面するであろう問題の一つは「先住犬が後住犬を受け入れてくれるか」です。とりわけ先住犬が犬嫌いの場合、後住犬と仲良く暮らせるようなるには相応の時間がかかります。
わが家の場合、1年かかりました。
そこで本記事では、わが家で先住犬の犬嫌いを克服させた方法を紹介。先住犬が犬嫌いとなった原因と、わが家で実践した「先住犬に後住犬を受け入れてもらうための工夫」を前編・中編・後編の3回に分けて解説します。
先住犬チョコは大の犬嫌い
わが家ではダックスフンドを2匹飼っています。先住犬がチョコ、後住犬はごまといいます。
私が先住犬のチョコと同居した当初、チョコは大の犬嫌いでした。犬嫌いとなった原因は断定できませんが、おそらく以下の要因が関係しているのではないかと推測しています。
・1日の大半を一匹で過ごしていた
・ほかの犬と触れ合う機会が少なかった
・犬より「人」との接点のほうが多かった
チョコは奥さんが独身の時から飼っているダックスフンド(♂)です。私と同居する以前は、奥さんが仕事から帰ってくるまで、家で一匹で過ごしていました。帰宅が遅くなると散歩が夜遅くになったり、行かない日もあったりと外に出る時間や頻度が少なかったそうです。
ドッグランやドッグカフェに行くこともなかったため、他のワンちゃんと触れ合う機会が少なかったことが、犬嫌いの性格形成に影響したのではないかと考えています。また10年近く、飼い主を中心に「人」と接する機会の方が多かったため、自分のことを「人」だと思いこんでいました。
チョコ自身、ペットショップにいた時は他のワンちゃんと楽しく遊んでいたそうなので、もともとの性格というよりは、お家に迎えてからのお世話の仕方が原因なのかな…と感じた次第です。
後住犬との対面で事件勃発
チョコの犬嫌いは、2匹目を迎える前から承知していました。後住犬と事前に引き合わせたところで犬嫌いが収まる感じでもなかったので、お迎えする前の顔合わせはなし。ぶっつけ本番で後住犬のごまをわが家に連れてきました。
当初は「ひょっとしたら受け入れてくれるかも…」という淡い期待を抱き、ごまをクレートに入れた状態で、チョコが生活するリビングに置いてみました。すると案の定チョコが大騒ぎ。クレートに入ったごまを威嚇しだして収まりません。
仲良くできるかも…という期待は、脆くも崩れ去りました。
そのためお迎えした日からしばらくの間、後住犬のごまはパパの部屋で暮らすこととなりました。チョコとごまを再度引き合わせたのは、ごまをお迎えしてから数日経ってからです。パパの部屋にサークルを設置し、その中にごまを入れた状態で柵越しにチョコと対面させました。
ごまの方はチョコに興味深々。子犬ならでは警戒心もなく、しっぽを振ってチョコに近づいていきます。「大丈夫かな…」と様子見していた次の瞬間、柵越しにチョコがごまに噛みついてしまいました。急な出来事と痛みにびっくりして、ごまは思わず「キャン!」と泣き叫びます。
柵の隙間から噛みつけるのは大誤算でした。
ダックスフンドはマズルが長いので、柵の隙間から容易に噛みつけてしまうのです。これはマズイとすぐにチョコを部屋の外へ移動。噛まれたごまにケガがなかったのが不幸中の幸いでした。
これをきっかけにチョコの噛みつき防止対策として、サークルは柵同士の間隔がより狭いものに買い替え、チョコと対面させるときはごまが柵の近くに寄らないようコントロールすることに。サークル越しの対面を重ねることで、チョコに少しずつ犬慣れしてもらうこととなりました。
チョコとごまがリビングで仲良く同居できるようになるまで、1年におよぶ挑戦のはじまりです。
~中編に続く~
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